アルミ押出形材の魅力はなんといっても、形状の自由度でしょう。角パイプ1つを取ってみても、鉄やステンレスの角パイプは規格が決まっていて、規格外のものは通常買えません。しかし、アルミ押出形材の場合は比較的低価格で、独自の形状の角パイプを作ることができます。
当社では、角パイプだけでも大きさや形状がまちまちのものを下記の写真のように多数揃えています。サイズ違い、肉厚違い、角に丸みをつけたもの、中にパイプを入れて補強するためのリブを付けたもの、ビス留め用の穴を付けたもの、ヒレを付けたもの、裏板を入れる溝を付けたものと様々な角パイプがあります。

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当社では、アルミ押出形材の特徴を120%活かすための断面設計を行っています。設計如何によって、機能・見栄え・コスト・強度が大きく変わってくるので、断面設計はとても重要です。
どのようなことに留意して設計しているのかを、いくつかの例を交えて紹介します。

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ビス留め用のタッピングホールをつけたものです。
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タッピングホールがあれば直角に組む形材に穴を開けて、それにビスを差し込めば形材同士を簡単に留めることができます。鉄やステンレスの場合は、別途ブラケット金具を準備したり、溶接したりする必要があります。

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当社の伸縮門扉の落し棒ケースの例です。中空部分はできるだけ肉厚を薄くして重量を落しています。単純に薄くするだけだと強度が弱くなってしまうので、中間に2ヶ所柱を渡して強度を出しています。また、両端2ヶ所だけ肉厚が厚くなっています。ここに穴を明けてビス留めをするのですが、必要なネジ山を確保できるように、ある程度肉厚を上げています。全体の肉厚を厚くすると、重量が重くなってコストが高くなるので、必要な部分だけの肉厚を厚くしています。

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当社製伸縮門扉に使われている袖框部材の断面です。伸縮門扉の門柱と本体を繋ぎ、回転のためにヒンジを付けますが、そのヒンジを留める裏板を入れるための溝があります。また、格子が伸縮するとスリーブがスライドしますが、そのスライド用の溝も付けてあります。このようにアルミ押出形材は溶接や切削加工をしなくても、押出形材そのものに機能を盛り込むことができます。

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当社の伸縮門扉の戸当たり柱の断面です。当りをやわらげるためのゴムクッションを挿入する溝があります。また、受け金具を取り付けるための溝もあります。リブ柱を設けて全体の強度を上げているのが特徴です。伸縮門扉の裾凸框を受けるため、全体に大きく凹ませました。表面に微細なV溝、U溝を付けて模様をデザインしてあります。

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別の当社製伸縮門扉の組立断面です。アルミの断面形状を工夫することにより袖框と縦桟を嵌め込んでいます。ビス留めや溶接をせずに、断面形状だけでがっちり組み合わせています。縦桟に縦桟カバーを被せ、組立のために開けた穴やビスを隠し、意匠を向上させます。これも同様に断面形状の工夫による技です。

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強度の必要なレール部材はアルミの肉厚を上げることにより、必要な強度を確保します。但し、余分な肉は肉盗み(中空にしたり、部分的に薄くする)でコストを抑えています。

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フラット部分に山や溝を付けて模様を付けることができます。

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当社では、これまで1,000を超えるアルミ押出形材の断面設計を行っており、ここで紹介しきれないぐらい多くの断面設計に関するノウハウを蓄積しています。

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